2663人が本棚に入れています
本棚に追加
/703ページ
御神本さんは身長も私より20cmぐらいは高かったし――恐らく170cm後半ぐらい?――、身に纏ったオーラがどことなく気高くて、コンビニなんてチープな場所にいたら余計に目立ってしまうの。
しゃがみ込みでもしない限り棚の陰に頭が入ることもないし、何ならずっと首から上が見えている。
私は155cmだから頭の先っちょが棚から覗くか覗かないか、なんだけど……こうしてみると背が高い人っていうのも常にどこにいるか監視されて可哀想ね。
って、私が追跡するのをやめればいいだけなんだけど。
だってだって! 何となく気になってしまうんだもんっ。
御神本さんクラスの人が、コンビニで何を買うんだろう?って。
「あ……」
結局自力で探すことを早々に諦めてしまったみたい。
店員さんに何か話して、割とレジに近い棚の一角に連れて行かれてる。
あの棚は――。
***
「待たせたね」
ややして集中ドアロックが解除されたと同時に運転席側のドアが開いて、御神本さんが車内に乗り込んできた。
彼が乗ったと同時に、行きがけにも感じた爽やかな香りが鼻腔をくすぐって。
何だろ、この匂い。
香水?
男性でも香水とかつけるものなの?
最初のコメントを投稿しよう!