4.気にしてらしたんですかっ!?

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 そんなことをふと考えながら、無意識にじっと御神本(みきもと)さんを見つめてしまって。「何だ、花々里(かがり)。もしかして寂しかったのか?」とか聞かれてしまった。  さ、寂しっ!?……いわけないじゃないですかっ!  どうやったらそんなおめでたい思考回路になれるんでしょうね?  思いながらフィッとそっぽを向いたら、「まだ口をきかないつもりか? なぁ、コレやるから機嫌直せよ」とか。  コレ。  分かってます。  〝飴玉〟ですよね!? さっき店員さんに飴のコーナーに連れて行ってもらってるの、私、一部始終見てました。  わざわざ寄り道してまで買ってくれるとか。  この人、私のことをどれだけお子ちゃまだと思ってるんでしょうね? 「で、花々里は右と左、どっちがいい?」  2種類も買ったんですか。お金持ちは違いますねっ。  彼が片手ずつにささげ持った、ピンク系統と黄色系統のパッケージを横目に見てそう思う。  思いながら、ムスッとした声音で「左……っ」と――。「ピンク色の方がいいのだ」と答えてしまう私って一体。 *** 「はい、どうぞ」  ガサガサとパッケージを開ける乾いた音を聞きながら、何となくそっちを見るのがはばかられてうつむいていたら、再度促すように「どうぞ」と声をかけられた。  その声に顔を上げたら……。
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