22.わーん、ごめんなさいっ!

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 そんなあれこれに思いを馳せて、ぷりぷりに肉厚な(うなぎ)を食べながらソワソワと頼綱(よりつな)を盗み見たけれど、頼綱はそんなこと全然思い出したりしていないのかな?  私だけ意識しているみたいで恥ずかしくなるくらい、いつも通りに澄ました顔で食事をしていて。  挙げ句の果てには「どうしたんだい、花々里(かがり)。早く食べないと俺が食べてしまうよ?」とか急かしてきたりする始末。  ねぇ、頼綱。覚えてないの?  ここは私と頼綱にとって、デート?した思い出の場所だよ?  頼綱はそんな風には思ってくれていないの?  やたらと早く帰宅したいみたいに時計と私の(かかと)の辺りばかりを見てくる頼綱に、もしかして私の靴擦れの様子を気にしてくれているのかな?とハッとした。  そういえば、鳥飼(とりかい)さんと出会った顛末(てんまつ)を話した時、頼綱はやたらと私の足のこと、気にかけてくれていたっけ。 「――あ、あのね、頼綱。靴擦れは絆創膏のおかげで痛くないから……」  だから大丈夫だよ?って続けようとしたら、ほんの一瞬だけど、物凄く冷たい目で射られた気がして。  え?  私、何かまずいこと言った?  もしかして、大人しく心配させろってこと?  そんなの、ハッキリ言ってくれなきゃ分かんないよぅ。
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