22.わーん、ごめんなさいっ!

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 少し体液が滲んで患部に絆創膏が癒着してしまっていたのか、その瞬間ピリッとした痛みが走って、思わず「ひゃんっ!」って変な声が漏れた。 「ごめんね、痛かったかな?」  足をやんわりと撫でられてで声を上げそうになった私は、慌てて両手で口を塞いだ。 「花々里(かがり)、悪いけど窓の方に手をつくように身体の向きを変えてくれるかね?」  確かに運転席側から私の足元を見るのは角度が悪いよね。  いつもなら「もういいでしょ?」と足を引っ込めていたと思う。  なのに今の私は頼綱(よりつな)にもっと触れられたい、とか思ったりもしていて――。  求められるまま、素直に身体の向きを変えたら、 「ああ、これは痛そうだね。水膨れが潰れてしまってる」  私の足に頼綱が顔を近づけているのが、見なくてもそこに吐息がかかることで感じられる。 「んっ、……!」  押さえていても小さくくぐもった声が漏れて、それが頼綱に聞こえていないことをただただ祈っていたら、存外あっさり足から手を離されて。  ガチャッとロックが解除される音がして、私は慌てて頼綱を振り返った。
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