22.わーん、ごめんなさいっ!

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 そんな折、いつの間にか出迎えてくださっていたらしい八千代さんに、背後からいきなり「お帰りなさいませ」と声を掛けられて、思わずビクッとなってしまった。 「お風呂の支度(したく)は出来ておりますので」  ひゃわわっ。  もしかして、頼綱(よりつな)に抱っこされてたの、見られたりしましたかっ!?  だとしたら、めちゃくちゃ恥ずかしい。  どう言い訳をしたら……と考えているうちに、八千代さんは私がここに初めて来た日のように、お風呂の始末は私に一任する旨を伝えて、 「それでは(わたくし)は先にお休みさせていただきます」  と言ってから、どこか嬉しげに私と頼綱を交互に見つめて。  おもむろに 「頼綱坊っちゃま、ファイトでございます」  何故か頼綱にだけ謎の言葉を残してにっこり笑うと、頭を下げて自室に下がってしまう。  八千代さん、今のどういう意味ですか!?  ねぇ、頼綱には意味、分かったの?  今、貴方は何を応援されたのっ!?  八千代さんの言動に落ち着かない私だったけれど、頼綱は特に何も変化はなくて。  去っていく八千代さんの後ろ姿にお休みを言うなり、私の足元にチラリと視線を投げかけてきた。
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