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「――それにね、実は俺、花々里にひとつ聞きたいことがあるんだ。スマホを忘れずに持っておいでね?」
意味深に言われて、怪しい光を灯した瞳で見つめられた私の心臓はバクバクだ。
「なっ、何でしょう!?」
もったいつけずに今、話してもらえませんか!?
ソワソワとそんな気持ちを込めて頼綱を見上げたら、「気になるかね?」と微笑されて。
もちろん!と言う意思表示でうんうん!と首を縦に振ったら、意地悪く目を細められる。
「だったら早く風呂を済ませて俺の部屋にくることだ。――待っているからね?」
言うなり唇に親指の腹でやんわり触れられて、ゾクリとした私は、真っ赤になって飛びのいた。
「ひゃっ、ひゃい! かしこまりまちた!」
動揺のあまりあちこち噛み噛みになりながら承伏した旨を伝えたら、頼綱があからさまに楽しそうにくすくす笑うの。
本当、この人、時々すっごく意地悪です!
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