22.わーん、ごめんなさいっ!

19/25
前へ
/703ページ
次へ
「同じ家の中にいるんだからそりゃあ近くに決まっているよね?」  笑いながら至極当然な指摘をされて、「やはり迷子か……」とつぶやかれた私はぶわりと顔が熱くなる。  そんな私に、 「まさか(そと)にまでは出ていないだろうね?」  と頼綱(よりつな)が追い討ちを掛けるの。 「さっ、さすがにそこまでじゃないですっ。廊下にいますっ」  ――どこかの。  小さく聞こえないように通話口を押さえて付け足したら、頼綱が少し考え込んでから、「一旦切って、もう1度鳴らすから。出ずにそのまま鳴らし続けておいて。いいね?」と提案してくれた。  どうやら、私の着信音を頼りに迎えにきてくれるみたい?  幸い位置的に八千代さんたちのお部屋の近くではない――気がする――ので、こんな夜更けに音が鳴っても大丈夫かな?と思う。 「はい」  と答えるとすぐ通話が切れて、宣言通り再度頼綱からの着信が入った。  無機質な電子音を聞きながら、スマホを手にしたまま落ち着かない気持ちで廊下に立ちんぼしていたら、 「花々里(かがり)」  程なくして、頼綱(よりつな)がちゃんと私を見つけてくれた。 --------------------- 【お知らせ】 スター特典に、30,000スターお礼の書き下ろし 3e8a70c2-3170-4202-8677-60d63c193b9a https://estar.jp/extra_novels/25807665 を追加しています。 本編に☆1で開放されます。 もしよろしければ(人´Д`*).+゚. ※完結済みです!
/703ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2666人が本棚に入れています
本棚に追加