23.眠れないのは誰のせい?

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(より)(つな)……?」  その様子にこちらまで気持ちが張り詰めてくるようで。  恐る恐る彼の名前を呼んで、頼綱を不安いっぱいになりながら見上げたら、彼はそんな私をじっと見下ろしてきて。  いつもより更に低い声音で(ささや)くように問い掛けてきた。 「その、――俺のこと、好き…………になれそうか?」  明らかに、「好き」と「なれそうか?」の間に不自然な間があった。  いつも自信満々な、どこか傲慢(ごうまん)にすら感じさせられる大人の男性なイメージの頼綱がっ。  私みたいな小娘相手に、「好きか?」と聞けずに不安そうに言葉を濁してしまったことに、どうしようもなくキュン、とさせられてしまう。 「……ご、ごめんなさいっ」  プレッシャーに耐えきれなくて、思わず顔を横向けて小さくつぶやいたら、頼綱が一瞬私を抱く腕に痛いくらいに力を込めたのが分かった。 「……そうか。ここまできても脈なしか……」  直後、ぽつんと頼綱がそうこぼしたのを聞いて、私は慌ててフルフルと首を横に振る。 「ち、違う!」  私、貴方にそんな悲しそうな顔をさせたかったわけじゃない! 「頼綱、最後まで聞いて!」  気がつくと、私はぐるぐる巻きにされたまま必死に身体をじたばたさせていた。
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