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でもね、でもね、だからと言って――。
「じゃあ、今日から早速俺の部屋で一緒に寝ようね」
は無いと思うの!
毛布でぐるぐる巻きの私の横に寄り添うように頼綱が身体を横たえてきて……そのまま後ろからギュッと抱きしめられた私は、何とか現状を打開しようとクネクネ身体とよじっています。
「あ、あ、あ、あのっ」
それでも全然ダメだったから、恐る恐る背後の頼綱を振り返るようにして呼びかけてみたけれど、彼は一向に腕の力を緩めてくれなくて。
「そ、添い寝とかっ。私っ、まだ心の準備がぁーっ!」
イモムシ状態のままはマズイと、何とか毛布から手足を出そうと試みているけれど、全然うまくいかなくて、気持ちばかりが焦ってしまう。
「花々里。さっきから一生懸命逃げようとしているみたいだけど……。心配しなくても俺、今すぐキミをどうこうしようとは思ってないからね?」
背後からそう言葉を紡がれることにですら、ゾクリと首筋に鳥肌が立つみたいで落ち着かないの。
か、かくなるうえは最後の手段だっ!
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