24.もしかして、という懸念

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***  それにしても花々里(かがり)。キミは無防備すぎるにも程があるだろ。  男の部屋に来るのに下着を付けてこないとか……。  気がついた時の俺の何とも言えない気持ち、分かっているんだろうか。  もちろん好きな子の身体だ。  見たくないわけがない。何なら触れたくて堪らなかったし……それを断腸の思いで断ち切ったと言うのに。  花々里が卑屈なことを言うから、危ない橋を渡る羽目になってしまったじゃないか。  いや、アレは本当にまずかった。    花々里は着痩せするタイプなんだとしみじみ思ってしまって。  あの、ツンと愛らしく布地を押し上げていた形の良い胸に、どれだけ手を伸ばしたいと熱望したことか。   「花々里。申し訳ないが、もう1度、俺の目を見て嫌だとハッキリ声に出して拒絶してくれないか?」  あの子をあのまま襲ってしまいたい気持ちを抑えるため、苦肉の策で咄嗟に発した言葉だったけど、あれであの子への欲情を抑えられたのは、自分でも驚いたぐらいの奇跡だ。  なのに――。
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