25.離さない

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***  上下の組み合わせを考える時間も惜しくて、ストライプシャツに萌黄(もえぎ)色のスカートを重ねたようなデザインの、重ね着風のワンピースを引っ張り出す。  可愛いワンピだけれど、(そで)が半袖だったので、白い薄手のカーディガンを羽織った。  朝晩はまだ肌寒く感じられることがあるから、薄手の長袖があると安心。  暑かったら脱げばいい。  服はこれでいいとして、さて足元はどうしよう。  靴擦れが気になるので、とりあえず黒いクルーソックスを履いて、絆創膏が貼られた患部を隠してみた。  ――履き慣れたスニーカーで行けば、歩くの支障ないかな?  変じゃないかな?と姿見の前でくるくる回っていたら、扉をノックする音がして。  時間がかかりすぎて、八千代さんにまたご心配をおかけしてしまったのかも!  そう思った私は、急いで扉を開けて。  目の前に八千代さんではなく頼綱(よりつな)がいたことに驚いて、思わず瞳を見開いて息を呑んだ。
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