25.離さない

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***  メッセージを送るとすぐ、寛道(ひろみち)から着信があった。  出るべきかどうか逡巡(しゅんじゅん)しているうちに、『ただいま電話に出ることが出来ません。ピーッと言う発信音の後に、お名前とご用件をお話ください』という機械的な女性のアナウンスが流れ始めて。 「出なくていいのか? 今通話ボタンを押したらきっと間に合うよ?」  ゆっくりと車を出庫させながら、頼綱(よりつな)が私を気遣うようにそう言ってくれる。  けれど、私はゆるゆると首を振った。  あー、精神的にも物理的にも頭痛い……。  寝不足のせいだろうし、学校で居眠りしちゃうかも。
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