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さすが八千代さん。
美味しそうな和食の献立!って思っていたら、何故か「花々里さん、いま私が申し上げたものの中に嫌いなものがございましたか?」と問いかけていらした。
――なんで私?
そう思ったけれど、きっと今朝おっしゃったように私が頼綱のプロポーズを受け入れたことで、「若奥様」認定をなさって色々気遣ってくださっているんだろうな、って思い至る。
余り気を揉ませるのも申し訳ないので、深くは考えないで「全部美味しそうです! 私、嫌いなものを探す方が難しいぐらいなので」とお答えしておいた。
そうしてから、「頼綱は和食が好きなんですか?」と問いかけたら、八千代さんが小さく微笑むの。
「坊っちゃまは食へのこだわりは余り強くない方ですので、きっと何をお出ししても可もなく不可もない感じで召し上がられると思います」
とおっしゃって。
私はその言葉に思わず「え?」と声を漏らした。
それじゃ、まるっきり頼綱が食べる事に対して楽しんでいないようにも聞こえたから。
でも。
いつも一緒に何かを味わう時、頼綱はニコニコとすごく楽しそうで。とても食事に執着がないようには思えなかったの。
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