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「ねぇ花々里ちゃんっ。花々里ちゃんもお母さんも、美味しいのいっぱい食べられてすっごく幸せね♥ 頼綱くん、最高だわっ!」
お母さんが、今にもベッドから立ち上がって小躍りしそうに見えて、リハビリをするよりも美味しいものを目の前にぶら下げた方が効果的なんじゃないかと思ったりして。
本当食いしん坊なんだから!と、自分のことを棚に上げて思ってみたり。
「お母さん、せっかくだから切り分けてあげようか?」
まだ腕が不自由なお母さんにはこれを切り分けるの、難しそうだから!とか何とかもっともらしいことを言いながら、私、もちろん切り分けられたピースのひとつが自分の前にも置かれることを期待しています!
ふくふくになったのは、運動で挽回するからいいの。
ほら、よく言うでしょ?
ダイエットは明日から。
あれよ、あれ!
ニコッと笑ってお母さんが手にした箱に近付いたら、お母さんってば「花々里ちゃんの魂胆、お母さん、お見通しよ」ってクスッと笑うの。
バレてたか!
思いながらも「き、切るの、その手じゃ大変でしょ?」と吃りながら迫ると、「あら。お母さん、恵方巻きの要領もありかな?って思ってたのに」ってクスクス笑うの。
クゥー。お母さんめ! 丸かじりとかズルすぎる!
……じゃなくて!
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