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思いながら包みを丁寧にほどくと、中から出てきたのは紫色と水色の石が交互に並んで四つ葉のクローバーを形作っている、スイングイヤリングだった。
「石は花々里の誕生石の紫水晶と、俺の誕生石の藍柱石だよ」
Cloverには「She(C) lover」っていう意味があるのだと、前に小町ちゃんから聞いたことがある。
誕生日に彼氏の沖本先輩からクローバーデザインのネックレスをもらった際にそう説明されたって、嬉しそうに話してくれたの、覚えてる。
頼綱がそこまで知っていてこのデザインを選んだのかどうかは定かではないけれど、私はそれを知っているからすごく意識してしまった。
それでイヤリングを前に固まった私に、
「あまり大きくないし、……大丈夫、だよね?」
頼綱は一応私の好みを考慮して小さめのデザインを選んでくれたみたいだけど、私が何も言わなかったのが不安だったのか、心配そうにそう問いかけてきて。
私は頼綱の曇った顔に、慌てて「すごく可愛い!」って言った。
反応が遅れたのはびっくりしてただけで、本当にそう思ってるって伝わってる……かな?
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