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宝石店では、あの後お互いにリングゲージで左手薬指のサイズを測った。
ちなみに私は8号、頼綱は16号で。
その号数の差で、頼綱は華奢に見えても自分より大きな身体の男性なんだなって改めて思ってドキドキして。
そんな些細なことでさえも胸を高鳴らせる事に正直驚いてしまったの。
「花々里の指は本当華奢で女性らしいね」
頼綱も別の意味で同じ様なことを思ったのか、私の手を取ってまじまじと指先を見つめながらそんなことを言って。
照れるからやめてぇ〜!って思いながらも、どこかフワフワと幸せな気持ちだったのも事実です。
指輪の裏に刻む刻印は、私の婚約指輪には「Y to K」、頼綱の結婚指輪の方には「K to Y」というかなりシンプルな文言を刻む事になって。
各々、後日入籍日を連絡してイニシャルの側に入れてもらうことになったの。
セットになるのは結婚指輪同士じゃないの?って思ったりしつつ。
頼綱のことだからもっとこだわるのかと思っていただけに、そんなこともないみたいでそっちにも違和感を感じてしまう。
そもそも私の結婚指輪の刻印が空白になったままで、「私のコレには何にも入れないの?」ってそっちが気になって。
ソワソワしながら聞いたら、頼綱がニヤリとして、
「そっちには少し、キミに内緒で小細工がしたいんだ」
って店員さんと裏の方でこそこそ話すの。
それは頼綱らしい行動だけど、サプライズとはいえ、仲間外れなのが凄く寂しく感じました!
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