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そんなこんなで身支度を整えてドキドキしながら頼綱を待っていたら、彼が帰宅するなり私の姿に一瞬固まって。
そのまま何も言われずギュッと抱きしめられた。
「よ、りつな……?」
驚きながら、頼綱の胸元でくぐもった声を上げた私に、
「花々里。これはヤバイね。あんまりにも可愛すぎて乱したくなってしまう」
彼の腕の中、そう耳元でささやかれた私は、真っ赤になってカチンコチンに固まった。
好きだって意識する前には言われても何ともなかったはずの頼綱の歯の浮くようなセリフが、彼を好きだと自覚した途端、物凄い破壊力を持つの、怖いなって思いながら。
でも、そんな風に好きな人に翻弄される気持ち、嫌じゃないな、とも思ったの。
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