31.私の本心、分かってますか?

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 私と頼綱(よりつな)にとって、(うなぎ)は再会後、初めてしたデートで食べた思い出の食材で。  私と頼綱のファーストキスの味を彷彿(ほうふつ)とさせる特別な食べ物だからだ、って。  2人でその先へ進む覚悟をバックアップするのに、(これ)ほどピッタリの食品はないと思う。  頼綱、きっとそれらを踏まえて言ってきたんだ。 「その代わり、今夜は俺にとことん付き合って欲しい。そろそろ……ずっとお預けを食らわされてきたにもご馳走を食べせて? ――頑張れるかい?」  大好物の鰻を鼻先にぶら下げられて、ダメだなんて言えるわけない。  それに――。  そんななんてなくっても、私は元よりそのつもりだよ?  この日を待ち望んでいたのが自分だけだなんて思わないで欲しい。  ね、頼綱。そんな私の本心あれこれ、ちゃんと分かってますか?
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