32.Epilogue

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花々里(かがり)、卒業おめでとう」  卒業式で着付けてもらった袴姿(はかますがた)のまま頼綱(よりつな)にギュッと抱きしめられて、これまでの苦労が走馬灯のように頭の中を駆け巡った私は、その感情に押し流されてその場に崩折(くずお)れてしまいそうになる。  それを頼綱にしがみついて必死に堪えて。  小町(こまち)ちゃんたち同級生から遅れること丸2年。  みんなが文学部の3年生になる頃、私はようやく大学の編入試験に合格して、頼綱の母校である夏ヶ丘医科大学に入り直した。  その日の夜に頼綱と初めて結ばれて……とても幸せな一夜を過ごして。以来夜は彼と同じ部屋で眠っていて――。  ってそのことは今は関係なかったっ!  と、とにかくっ。  あの日から4年間。  私は必死に勉強して最短ルートで看護師と助産師の国家資格の両方を、一発合格で取得したんだけど。  頼綱みたいに、やらなくても勉強が出来ると言うタイプではなかった私は、在学中は頼綱にかなりスパルタで勉強をみてもらったの。
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