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「私も……。頼……副院長先生がお仕事をしているところを間近で見られて……先生と協力して命をこの世に送り出せるお仕事が出来るようになれて……すごくすごく幸せです!」
言って、人目がないのをいいことに、すぐそばに立つ頼綱の腕をギュッと引っ張って。
一生懸命背伸びをして耳元で「有難う、頼綱」ってささやいたら、
「――花々里。人が増えるとね、職員は休みが取りやすくなるんだよ? 知っていたかい?」
私を腕の中に閉じ込めるようにして、頼綱が言った。
予期せぬその言葉に、「え?」と声を漏らして彼を見上げたら、含みのある笑顔を向けられる。
どうやら、私が思わず卑屈になってしまうくらい人員を増やしてくれたのには、病院業務が円滑に進むと言うメリットとともに、何やら頼綱なりの目論見があるみたいです!
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