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「――ねぇ、頼綱。鰻ってフランス語で何て言うの?」
私、頼綱は結構頭がいいんじゃないかと思ってて。
はるか昔?お医者様はドイツ語でカルテを書いていたという話を母からちらりと聞いたことがある。
だとしたら、お医者様である頼綱は、ドイツ語はもちろん、フランス語も出来るんじゃない!?とか勝手にハードルを上げちゃいました。
そもそも今はカルテ、日本語で書くのが主流だとは知っていても、何となく頼綱なら!みたいな思い込み。
だってほら、さっきこのお店の店名の和訳も、「らしいよ」と言う言い方じゃなくて「だよ」って言い切ってたし!
「――ん? 何でいきなり鰻?」
思いつくままに何の前置きもせず突然鰻の話を持ち出したら、疑問符満載の顔で問われてしまう。
でも私は構わず「うんうん、鰻」とうなずいた。
答えられなくてもバカだなぁとは思わないから安心してネ♥なんて若干上から目線で思いつつ。
けど、私の期待?を裏切って、頼綱ってばちゃんと答えるの。
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