■スタ特①『羽の生えたうさぎ』

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(うなぎ)はフランス語ではanguille(アンギーユ)だよ。なに? (うさぎ)で鰻でも連想したのかい?」  しかもバレてるしっ! 「そ、そんなこと……なっ」  ない!と断言できなくてしどろもどろになる私を見て頼綱(よりつな)がにやりと微笑むの。 「もちろん(ひつ)まぶしや肝吸いの約束も忘れていないから安心して?」  私は頼綱のその言葉に瞳を輝かせた。 「ヴィ・ドゥ・アンギーユ!」  勢いこんで店名を文字ってかっこよく言ってみたら、「なに? 花々里(かがり)は鰻生活したいの? うーん。俺も鰻は嫌いじゃないけど……さすがに毎日は嫌なんだけどね?」と苦笑されてしまった。  通りでずいぶん前、2日連続で鰻食べたいって要求したら却下されたわけです。  代わりに食べさせてもらったものも美味しかったけど、頼綱の意地悪っ!って思ったのも事実。  その反応に、いっそお庭の池の錦鯉を鰻に入れ替えてみませんか?と言う提案は、何とか寸でのところで飲み込んだ。
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