そろそろ喰ってもいい頃だよな？

■スタ特①『羽の生えたうさぎ』

「一品一品自体は少なめかもしれないけどね、花々里(かがり)。コース料理はゆっくりとしたスピードで数種類の料理が楽しめるから案外お腹が膨らむものだよ？」

　まるで私の心中を察したように頼綱(よりつな)がそう言ってくれたけれど、私は半信半疑。

　むむぅーんっと眉間に皺を寄せていたら、フッと笑みを浮かべられて。

　その笑顔がとてもキラキラして見えて、悔しいけれど頼綱は本当に美形のハンサムさんなんだと思い知らされる。

　こんな人が私に時間を割いてくれていると思うと、何だか凄く不思議な気がして。

　何で頼綱ほどの人が、こんなにも平凡な？私を気に入ってくれているんだろう。

　私の食い意地が可愛く見えるって言ってくれたことあるけど、あれは真に受けたらダメなやつだよね、きっと。