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「めっ、メインはなぁに?」
頼綱の指から逃れるように顔を一旦横にそらしてから、気持ちを切り替えるように元気よくそう問いかける。
頼綱は唇から指を外されたことを気にした風もなく、「今日は白身魚と子羊から選べるみたいだけどどうする?」っていつもどおりの落ち着いた口調で聞いてきて。
何で顔を背けるんだ?とかいう不満が微塵も感じられないの。
ほらね。やっぱり頼綱の行動に振り回されて照れたりしたらバカを見るやつだ。
危ない、危ない。
メインは白身魚と小羊かぁー。
子羊ってなんだか生け贄みたいで可哀想って思ってしまって、「お魚」って応えたら、「じゃあ俺は子羊にしようかな」って頼綱が言うの。
「あ、でも……」
ふと気になって「子羊を食べちゃうなんて可哀想じゃない?」と付け足したら、「でも花々里、実の所キミはどちらも食べてみたいんだろう?」って。
痛いところを突いてきますね?
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