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頼綱はシェフお勧めのシャンパンをフルボトルで注文したみたい。
車できたはずだけど……置いて帰るのかな?
ん?
あ、代行タクシーって手もあるか。
頼綱は大人だし、そういうのもちゃんと考えてるよね?
***
「ねぇ頼綱。シャンパンって……原料ぶどう?」
店員さんがいなくなったのを見計らって小声で聞いたら、「そうだよ」ってうなずかれた。
メニューの写真を見ると、シャンメリーと見た目もほとんど大差ないようだし、ぶどうが原料ってことはお味もぶどうジュース系?
アルコールがあるだけでシャンメリーみたいだったり……する?
シャンメリー好きとしては、それに似ている――あ、シャンメリーがシャンパンに似せて作られているから逆か――シャンパンにも興味津々で。
後でにおいを嗅がせてもらおうかな?
あ、もしかしてそれってマナー違反?
そんなことを思いながらそわそわと頼綱を見つめたら「ん?」って顔を見つめられて……私は思い切って、「シャンパンのにおいを嗅いでみたいんだけど……ダメ?」って言ってみた。
頼綱はその問いに一瞬だけキョトンとした顔をして、
「恐らく花々里の期待には答えられないと思うけど、きたらにおってみるといいよ」
そう言って、くすっと笑うの。
そんな頼綱の余裕ある態度がすごく大人に見えて、何だか悔しくて。
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