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「シャンパンのにおいを嗅いだだけで倒れるとか……一体誰が想像できる? キミは鼻からも飲み食いできる特殊体質か何かなのかい?」
水の入ったグラスを差し出されて、ベッドの上にぼんやりした頭で座ったまま、それを受け取って。
促されるままにひと口飲んでから「え?」と思う。
「頼綱、今なんて……?」
「キミはシャンパンの香りを嗅いだ途端倒れたんだよ。覚えてない?」
うそ……。
全然覚えてないっ!
「頼綱、ごめんっ! 私たちご飯、食べ損ねちゃったよね!?」
あーん、残念!と眉根を寄せて言ったら、瞳を見開かれてしまった。
「………花々里。気にするのはそこなのかい?」
溜め息混じりに言われて、
「知らない間にホテルの部屋に連れ込まれて、ベッドで目が覚めたんだよ、キミは。――気を失っている間に色々されてるかもしれない、とか思わないの?」
真剣な目で見つめられた。
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