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「そ、その先の反応なんて……っ」
口に何か入ってきたら噛み付くくらいしか思いつかない……。
唇に触れる頼綱の手をギュッと握って、その動きを封じる。
そうしたまま、私はソワソワしながらあちこちに視線を泳がせた。
今更のように自分が今いるベッドはキングサイズの大きなものだと気が付いてドキッとした。
えっと……このお部屋。
もしかして、私が倒れちゃったから急遽押さえた、とかではなく予め取ってあったりしましたか?
ベッドがひとつしかないように見えるのは……気のせいでしょうか?
あ、もしかしたらもう一部屋、別室が押さえてあったりします……か?
き、きっとそうですよね?
うん、仮にそうだとして。
多分ここは頼綱用のお部屋で……私には別にもう少し庶民的な小さなお部屋が取ってあるんだと思います。思うことに決めました。
そうでも思わないとやってられない危険なシチュエーションなんだもの。
頼綱の手を押さえたまま、彼の背中越しの景色に目を凝らせば、向こうのほうにリビングと思しき部屋も見えて。
どうやらそちらにはダイニングテーブルもあるみたい。
そうしてその上には……。
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