■スタ特①『羽の生えたうさぎ』

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 頼綱(よりつな)の物言いにちょっぴり不安になった途端、「子羊のロースト(ロティ)、食べてみるかい?」と、取り皿に載せたお肉を差し出されて。  私、あっという間に頭がそっちに切り替わってしまった。  子羊のロティ、菜の花のソースがかかっているとかで、黄緑色が鮮やかですっごく綺麗で。  ほんのちょっぴり酸味のあるお味がアクセントになっていて、とても美味しくて思わず顔がほころんだ。 「美味しぃ~♥」  両頬(りょうほほ)に手を当ててニッコリしたら、「お気に召しましたか? 」って問いかけられた。  ん?  なんだか順序がおかしいけどきっと、食べている子羊ちゃんはお気に召しましたか?ってことだよね? 「うん、すっごく!」  思いながらそう答えた私だったけれど。  まさか……頼綱の中では私が〝子羊ちゃん〟なんだとは到底思いつけなくて。  「私、オオカミ(よりつな)のための生贄(こひつじ)じゃなーい!」ってプンスカするのは、デザートに〝ウフ・ア・ラネージュ〟を食べて「なんだぁ〜。甘いはんぺんじゃ~ん♥」って思った後のお話です。     END(202012/04-12/20)
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