元に戻す方法

4/7

2662人が本棚に入れています
本棚に追加
/703ページ
花々里(かがり)、実はさっきの方法にはもう少し続きがあってね、それを言うときっとキミは不安に感じると思うんだけど」  頼綱(よりつな)にしては歯切れの悪い物言いに、私はにわかに不安になる。 「さっきこの瓶を湯で満たすって言ったよね?」  頼綱の指が瓶の側面に触れてきて、私は思わずそこへ中から手のひらを重ねるようについて、小さくうなずいた。 「満たしたあとでね、フタを……上のらしいんだ」  その言葉に、私は瞳を見開いた。  フタを……し直す?  お湯がの状態で?  空気のない環境でフタなんて閉められて、私は溺れ死んだりしないんだろうか。  元の大きさに戻れたとして……その時の私、生き延びているのかな?  そう考えたら、すごく怖くなった。  ガラス越し、ヘナヘナとへたり込んだ私を見て、頼綱が言葉を重ねる。 「花々里(かがり)が不安なら……俺は無理にやらなくてもいいと思ってる。小さくなってたって花々里は花々里だし、それを理由に俺はキミを手放すつもりはない。ただ――」  そこまで言ってコツコツ、と小瓶を爪先でノックすると、私が頼綱の顔を見たのを確認してから続けるの。
/703ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2662人が本棚に入れています
本棚に追加