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頼綱は「彩り海鮮ばらちらし寿司」を食べて、私は「チーズハンバーグ&サイコロステーキセット」を食べた。
ちょっとずつお互いの食べてるものを分け合いっこして、ドリンクバーやデザートも頼んでお腹いっぱい。
机上に置かれた伝票を取り上げた頼綱が、「こんなに食べたのに3千円いかないとか……安いね」って素直に驚いて。
私的にはいつもより豪勢に食べたつもりとは言え、2人で2千円以内に抑えられなかったのはちょっぴり不満だったんだけど、日頃の外食での金額を思えば頼綱がそう思うのももっともだな、とも思ったの。
入籍もしてるし、気にしなくていいんだろうけれど、頼綱が当然のように伝票を手に立ち上がるのを見て、私はソワソワしてしまう。
少なくともここは私のテリトリー。
「今日くらいは私がっ」
って頼綱の手を握ったら、「社会勉強の一環として支払いまでしてみたいんだがね?」ってやんわり遠ざけられてしまう。
うー。
頼綱めっ。
さっき私が言った言葉を逆手に取ってこられたら、言い返せないじゃないっ。
そう思ってフルフルしていたら、ふわりと頭を撫でられた。
「――それに、キミに美味しい思いをさせるのは僕の楽しみだからね。お願いだから奪わないで欲しいな?」
って微笑むの、ホントずるいっ!
かっこよくてキュン、とてしまうし、そんな頼綱には敵わないなって思ってしまった。
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