■スタ特⑥『私あなたのここが好き♥』

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 そんなこんなで仕方なく頼綱(よりつな)の後ろにくっついてレジに行って、いざ支払い。  頼綱が何か戸惑ったらすぐに手助けするつもりでいたんだけれど。  頼綱は伝票を店員さんに渡してお金をトレイに載せて。  初めてとは思えないくらいスマートに支払いを済ませてしまった。  私の教えることなんて何ひとつないよぅって残念に思っていたら――。 「ごちそうさま。美味しかったよ」  去り際、頼綱が当然のように店員さんに声を掛けたのが聞こえてきた。 「さ、花々里(かがり)、行こうか」  そうして何でもないみたいに私を振り返るの。  私は頼綱の店員さんへの自然な声かけにキュンとして。 「ごちそうさまでしたっ!」  って慌てて店員さんに声をかけて、頼綱の腕にギュッとしがみついた。  どんなお店に行っても、ちゃんと「ごちそうさま」や「美味しかったよ」ってお店の人に伝えられる。  高いお店や、馴染みのお店だから言うんじゃなくて、どこに行ってもあなたのそのスタンスは変わらないんだね。  私、頼綱のこう言うところがたまらなく大好きなんだ!って心の底から思ったの。     END(2021/08/13)
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