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神隠しと略取 2
「………それで、その女性はそのまま、行方がわからないの?」
二敷怜奈の向かい側に座っている男性がそう尋ねた。ふたりは、東京 国立市の大学通りに面した二階建ての洒落たカフェの窓際のテーブルにいた。
「……そうなんです。あのあと、こたけじぃ、いや古武住職やお寺のみなさん、それから光瑠璃寺に駆けつけてくれた私の仲間たちも合流して1時間以上探したんですけど、結局その方は見つかりませんでした。
ご家族の皆さんは警察に捜索願をだされたそうです。本当に、みなさん沈痛な面持ちで……なんていうかもう……やりきれない感じでした……」
「そっか……、でもなんだか不思議な感じだね……。なんていうか、現代の神隠しというか……」
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