プロローグ

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 少女は彼の言葉に明らかに興奮したようだ。 少年にぴったりと身体を密着させると囁いた。 「じゃ、そのお屋敷に入った人たちは、そのいろいろな仕掛けで殺されるの?」  少年は瞳をまん丸に開いて呟いた。 「もちろんだよ。でもそれはお屋敷のなかに仕掛けられたゲームに負けた場合に限るけどね……」 「ゲーム? そのお屋敷のなかでは、どんなゲームが楽しめるの?」 「それはね、僕がこれから大人になるまでにじっくり考えるよ。 でもね、ひとつどうしてもやりたいゲームがあるんだ……」 少年がその(つや)やかな唇を少女の顔に近づける。 「それはどんなゲームなの、かなちゃん?」  少年は少女の可愛らしい唇に自らの唇を重ね、呟いた。 「ゆなを奪い合う男たちが互いに殺し合うゲームさ……」
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