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意味がわからなさ過ぎて怖い。
ここがどこなのか、あんまんに口があるのか、いろんな種類の、思いつく限りの不安が瞬間に駆け巡る……
「う、うっ…ぅわあぁあーー」
「ワンワンワンッ!!!」
僕が叫ぶと、あんまんは犬のように吠え、威嚇してきた。かなりきれいな歯並びで……
「うわぁー、あぁー!! 助け……」
叫び続ける僕にあんまんは吠えるのをやめ、そっと近づいてきた。
そして僕の顔の前までやってくると、そのセクシーな唇でチュッと……
「えっ?」
あんまんは一度離れ、僕の顔を見つめるような間をおくと、またチュッとキスしてきた。
今まで感じたことのないほどに、やわらかい感触だ。
思わず僕も静かになり、次第にあんまんの思う通りなる。
軽かったチュッはどんどん濃いものになっていき、僕もまんざらではなく求め始めていた……
彼女の歯の奥からは甘い香り、それでいて決して甘すぎない、あんこの味がする……
おいしい、おいしいと思っているうちに、僕はすっかり彼女、あんまんのワナにはまっていた。
いつの間にか、口から頭、背中とリュック、腕、足……彼女の口からどんどん食べられていた。
僕は彼女の中にしっぽり、入っていってしまった。
すっかり僕は気持ちよくなっていて、目をつぶっており、全く気が付かなかった。
周りが暗くなった気がして、目を開けた時にはもうすでに、全身逆さになっていて、頭を下にした状態で、あんこの中に埋もれていた。
あぁ、ここはあんまんの中で、あんこの中だ……
それだけは何故かすんなり悟った。
せっかくだから、あんこ、食べておこうかな……
と思ったとき、バンッと底が抜けたようになって、僕はあんこ共々落下する。
まるで遊園地の絶叫マシンに乗っているような、そして、そうだったらどんなに良かっただろう……
そんなことを思いながら、僕はまたゆっくりと意識を失っていった。
どれくらい経ったのだろうか。背中の痛みで目が覚めた。
あぁ、夢だったのか……
と思ったが、どうやら僕はリュックを背負ったまま、外で大の字になって寝ているらしかった。
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