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第壱章
森林の楽園の夢の宮殿では…。
「またラムさん遅刻ですか!!」
1人の幼い少女がそう言った。
「はあ。あいつまたダンジョン潜ってやがるよ。」
1人の幼い男子が自分のメニューを見て言った。
「あの子優しくて強いのに遅刻魔っていうね…。良いところは多いのに悪い所が悪すぎるのよね。」
1人の妖艶な美女がそう言った。
「お、おいお前ら。遅刻してんのはラム君だけじゃないんだから…!まあ落ち着けよ!」
1人の髪の長い男がそう言った。
「我の逆鱗に触れたらどうなるか…。奴に教えてやろうではないか。」
1人の包帯をまいた美少年がそう言った。
「すまあああああん!!!遅れたああ!」
入口からそんな声が聞こえ、9人のエルフはそっちを見た。
「これから。進路計画を立てる。これは森林の楽園全土で放送されているからな。」
腰に2本の剣を刺している男……ラムが仕切った。
「了解です!ラムさんが遅刻したのは放送されているのですか?」
幼い少女…キズナがそう尋ねた。
「もちろんだぜ。放送されてなかったら儂はキレるぞ。」
青い羽織を来た男…マコトはそう言った。「し!ん!ろ!計画だから!喋っちゃダメ!」
ラムがそう言うとみんなは静まりかえった。「アビスワールドの兵士が俺らの土地を侵略しようとしているぞ。」
1人の幼い男子…レンがそう伝えた。
「同盟を破棄しようとしてるのか。別に俺は構わんが……。」
「良くないぞラムよ。そんな事したら人間と同盟を結んでる獣人族も加わる。」
「こっちには竜族が居るが……。数の暴力で潰されるだろうな。」
「温和に解決か。誰かアビスワールドに行ってくれるって言うやつはいねーかー?」
少しの間沈黙が続く。
「私が行こう。私の容姿で惑わせてくるわ。」
「いいのか。ありがとう。
あーそれとレミル。一応本武器持って行っとけ。」
「流石に斬りかかったりしてこないですわ。」
「一応だ。エルフ族を強く見せてきてくれ。牽制だ。」
「この刀重いんですよ…。まあトッププレイヤーの言うことは嫌でも聞かなきゃだからねぇ。」
「そうだな…。」
今まで喋ってこなかったひょろひょろの男…シロがあいうちを打った。
「シロはどう思う?ほんとに議論だけで解決すると思うか?」
「2ヶ月前の戦争は酷いものだった。解決しようと出てきたエルフの男が野蛮人でな。急に斬り合いになって結果的には大規模な殺し合い になった。」
「そうなのか。頼むぞレミル…?」
「任しといて!じゃあ行ってくるわね!」
「リアルの事情とかは無いな?」
「ないわ。任しといて。」
「さんきゅ!」そうして会議は終わった。
「はあ。ちょっとの会議でも慣れてなかったら疲れるなぁ。」
俺はそう呟いた。
「れんちゃーーん!」
キズナが俺を呼んだ。
「何だー?」
「大変よ!ラムさんが街中で獣人族に喧嘩売られたの!」
「なに!?今行く!!」
現場は思ったより落ち着いていた。
「おい!トッププレイヤーだからって調子乗ってんじゃねーぞこの野郎!!」
「だから調子乗ってないよ。落ち着いてくれよ。」
「てめえが乗ってないつもりでも俺らからはそう見えてんだよ!!ゴラァ!!喧嘩で勝負付けんぞ!闘技場に案内しろ!」
「しゃーねーなー。終わったら帰ってくれよ?」
「わかってるよ!」
そうして一行は闘技場に向かった。
「うらああ!!行くぞゴルァ!!!」
「セイッ!」
「……?」
奴らの攻撃が軽すぎて、攻撃した方が吹き飛ばされている。
「ぬあ!?」
「おーわり。帰ってな?」
長剣の柄で後頭部を殴りバトルは終了。
これ程スキルの撃ち合いとかが無い地味な試合は見たことがない。
「くっそクソ喰らえ!!」
「じゃあ俺は会議に行くから。レンーー。一緒に来るかー?」
「行かない!人族のところに行く時の書類まとめてんだよ!」
「そうかーーー。じゃあ行ってくるなー!」
「あんたも少しは仕事しろオォォォ!!!」
はあ。行ってしまった。トッププレイヤーの誇りはねーのか?
「はあ。」
あともう少しでサーバー間戦争が開始される。
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