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『はぁ…はぁ……ねぇ?もう、わかったでしょ?価値観は人それぞれなんだから、他人に自分の価値観を押し付けちゃ、だめ…………わかった?』
『あぁ、わかったわい』
『わかってくれたなら、いいよ……じゃあ俺、行くね?もう、良いよね?』
何回説明すれば、わかるんだよ。
『……小僧、ワシの勝ちじゃ』
『はぁ?』
『ほれ、既にお主が求めていた時間は、とうに過ぎた』
なっ、何だって。もう、1時間経っているじゃん。
『……あっ!爺さん、汚ねぇぞ。俺の細やかなで、香しく仄かな香りを嗅ごうと、これから青春の1ページを開こうと思っていたのに』
『なぁ~~~にが、細やかなで、香しく仄かな香りを嗅ごうと、これから青春の1ページを?さっきも言ったであろう……その力は、そんな破廉恥の為に使うものではないのじゃ』
『あのさ、爺さん?マジで、何者?他の人には俺が見えていないのに、見えている訳だし……何か知ってるんだろう?』
『ふぉっふぉっふぉ……小僧。勝負に負けといて、何をほざいている?お主には、プライドや恥はないのか?』
『……ない!!!』
満面のドヤ顔。胸を張り、じいさんに言ってやった。
『なっ、なんじゃと?』
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