ヒロシ外伝

10/21
前へ
/21ページ
次へ
『はぁ…はぁ……ねぇ?もう、わかったでしょ?価値観は人それぞれなんだから、他人に自分の価値観を押し付けちゃ、だめ…………わかった?』 『あぁ、わかったわい』 『わかってくれたなら、いいよ……じゃあ俺、行くね?もう、良いよね?』 何回説明すれば、わかるんだよ。 『……小僧、ワシの勝ちじゃ』 『はぁ?』 『ほれ、既にお主が求めていた時間は、とうに過ぎた』 なっ、何だって。もう、1時間経っているじゃん。 『……あっ!爺さん、汚ねぇぞ。俺の細やかなで、香しく仄かな香りを嗅ごうと、これから青春の1ページを開こうと思っていたのに』 『なぁ~~~にが、細やかなで、香しく仄かな香りを嗅ごうと、これから青春の1ページを?さっきも言ったであろう……その力は、そんな破廉恥の為に使うものではないのじゃ』 『あのさ、爺さん?マジで、何者?他の人には俺が見えていないのに、見えている訳だし……何か知ってるんだろう?』 『ふぉっふぉっふぉ……小僧。勝負に負けといて、何をほざいている?お主には、プライドや恥はないのか?』 『……ない!!!』 満面のドヤ顔。胸を張り、じいさんに言ってやった。 『なっ、なんじゃと?』
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加