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「まだ起きていないのかぁぁぁ」
母ちゃんの雄叫びが、聞こえてきた。
『大丈夫だよ、母ちゃん。俺は起きているよ?』
暫くしても起きて来ない俺を、母ちゃんは勢いよく階段をかけあがり、俺の部屋に入ってきた。
「ヒロシィィィ、起きろぉぉぉぉぉ」
俺の耳元に拳銃が暴発したかの如く、部屋中に爆裂音が響き渡る。
『もう、母ちゃん?鼓膜がフライ アウェイするから、勘弁してよ』
だが俺は、まるでどこかの国のお姫様のように、指を組んだ状態で健やかに眠り続けていた。
そう俺は、変態的容姿に似つかわしくないが、昔から寝相は良かった。
唯一の取り柄であり、密かで細やかな自負を抱いていた。
一向に起きない俺を不審に思った母ちゃんが、俺の体を揺する。
「ねぇ、ヒロシ?起きなさい?」
揺すられた俺の体が、勢い良くベッドから転げ落ちた。ブリーフパンツ一丁で、大股を開いた俺の姿はまさに、変態極まりない。
『母ちゃん……もうこれ以上は……』
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