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変態的容姿の俺に、こんな力を持たせる神がいけない。こんなハイスペックな俺に、もう一つの欲を満たす事は容易だった。
『ぐふふ……なっちゃん……なっちゃんやーい』
俺の初恋の人、なっちゃん。
幼なじみで、同じ高校に通っている。
確かこれからの時間は、体育の授業があるはずだ。
直ぐに、欲望を満たす行為に走りたかった。
向かうべき場所は、俺にとって秘密の花園だった。
ある者は、その場所を『男のオアシス』と呼び、そしてある者は、『切り取られた、青春の1ページ』と呼んだ。
歴史が繰り返されるように、幾度も沸き起こる欲望に我等青年は、その欲望に蓋をしてきた。
滾る熱と、持て余した体力。行く先を見つける事が出来ずに、幾度もひれ伏した。
大抵の男が胸に秘めながら生きているが、現実的には到底辿り着く事が出来ず、夢を抱くも、幾度挫折したあの山頂に、今の俺なら意図も容易く、辿り着ける。
こんな能力を手にした俺を咎める者もいなく、罰せられる事もない。
『……悪いな、全世界の男どもよ。俺が一足先に、山頂で待っているぜ』
空中から、未だ見ぬ『彼等』にアディオスした。
そして俺は、高校の女子更衣室に向かった。
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