ヒロシ外伝

『はぁ？出来るに決まってるだろう？』

『じゃあ、答えてみろ』

『……どうして今、答えなきゃいけない？』

『別に答えても、損はないだろう？』

『人生に答えがないように、答えばかりを求めていたら、人生楽しくないでしょ？』

今日の俺は、絶好調だ。

『あのな、小僧……割り算には、答えがあるんじゃ』

そんなの知ってるわい。

『だから、それは爺さんの価値観の話でしょ？俺の価値観では、答えを求めない』

『……それは、つまり価値観の違いと？』

おっ。じいさん、食い付いたな。

『そう……答えを求める事が爺さんの価値。俺は、答えを求めない事に価値を見出だす。人それぞれが、価値観が異なるように……わかる？』

『なるほど……勉強になったぞ、小僧』

じいさん、案外物分かりいいんだな。

『べっ、別に……そんな誉めるなよ、爺さん』

『ところで、小僧？』

『……何よ？』

『やはり、割り算出来ぬようじゃな』

『あぁぁぁぁぁ、もう！！！だから…………』