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第六話 女支配者イザベラ
私の内なる秘密を語っても、意味があるのか分からない。そう思うのだが、アレクは読みたいだろう。そのために私は書こう。
いつまでも過去に執着しても仕方がない。
だがしかし、私は考えるのだ。
宇宙はどこまで続いているのだろう?
私の生に、私の人生に意味などあるのか?
たえまない心の欲求に振り回される私は何なのだ?
私は自分を知りたい。
この世界を知りたい。
支配したいのではない。ただ知りたいのだ。
恐ろしい災害も、事件もある。戦争もある。富豪という立場上、金だけはある。自分の無力さにじれたりもする。救える命には限りがあるのだ。
繰り返し言うが、私は冷酷な支配者などではない。
毎日のように鳴る電話、対話の必要のある大統領などはいるが、決して、極悪非道を働いたりはしていないのだ。そこのところを勘違いしないで欲しい。
私の所属している犯罪シンジゲートの行う、非合法の人身売買は人道に反した犯罪行為ではないのか。それに関わって手を染めているのではないかと問われれば、それはそうだとしか言えない。
言い訳かもしれないが、白状すれば私も奴隷だった。人権を奪われ、地をはって歩き、全裸に首輪ひとつの。
私がこれから語るのは、女調教師のイザベラのことだ。
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