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君と僕の時間
「私、そろそろかもね」
すっかり痩せ細った彼女が僕のことを見つめている。
あれから、僕は彼女に余命は持っても後1ヶ月だということを伝えた。
彼女は涙で顔を濡らしながらも僕に教えてくれてありがとう、と笑顔で言ってくれた。
それから僕は彼女と1秒1秒を大切に
二人で過ごしていった。
彼女は自分自身が死んでしまった時のことを考え別れよう、と僕に言ってきたが僕は彼女から離れなかった。
これから先どうせ苦しむなら大好きな彼女と一緒にいたいと思ったからだ。
「…私、悠人と出会えて良かった」
「僕もだよ」
「人見知りだった私を変えてくれたのも悠人。生きてることの楽しさも教えてくれたのは悠人。私、悠人にいろいろ助けてもらってたんだね」
「…あぁ」
「もし…。私がここから遠い遠い場所に行ってしまっても、また悠人と出会えたらいいな」
「あぁ、もろちんだよ…!」
「うッ…」
「おい…おい!」
「ほんとうに…ッ。幸せ…だった…よ。あ…りがと…」
彼女の命の糸が切れた。
しかし、彼女は笑みを浮かべていた。
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