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四条烏丸の交差点までやって来ると、
「出てる、出てる!」
横田君が嬉しそうに声を上げた。烏丸通の左右に、夜店の屋台が並んでいる。
「さっそく何か食べよう」
「そうだね」
横田君の誘いに、実穂が頷く。
「ほんまに横田は、花より団子やなぁ」
追坂君が呆れたように言ったのへ、
「長刀鉾は見たし、もうノルマは達成した」
横田君は胸を張った。
「杏奈ちゃんは何を食べたい?」
実穂に笑顔で問い掛けられ、
「うーん、そうね……」
わたしは人差し指を唇に当てて考え込んだ。お腹が空いているといえば空いている気もするし、帯が少し苦しくて、あまり食べられないような気もする。
「軽いものでいいかしら」
「じゃあ、たこ焼きを半分こする?」
「そうね」
「それじゃ、まずはたこ焼き屋を探すか」
横田君の先導で、烏丸通を北へと上がっていくことにした。
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