ヒカリ

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「ーー今日で最後かぁ」  4人は最後の絵描きの授業を迎えていた。最初の鳥居の手前に自転車を停めると、いつものようにお宮に行こうとした時だった。 「あっ、これあのカマキリじゃない?」  カズミチはそう言うと、カマキリに手を合わせた。 「カマキリの長よ・・安らかに・・」 「うわっ、頭食われてる・・」  するとヒカリはカズミチと同じように手を合わせ呟いた。 「・・かげぼうやだよね?長い間ひとりで寂しかったよね?  最初の日、私達の前に姿を見せたのも遊ぶつもりだったんだよね?  私だけに話しかけてくれたの嬉しかったよ。・・またね」  それを見てマミは笑いながら言った。 「あはは、ヒカリもカズミチと同じことしてるー。珍しいね」 「やっとヒカリも僕の考えを理解してくれたか」  すると、ヒカリは悲しげな笑顔を見せて言った。 「・・そうかもね」 「ーーそれじゃあまたねーっ」  ある日の学校帰りのこと。帰り道には「車の道」と「山の道」の2つあるのだが、この日は山の道から帰っていた。  友達と別れ、家までは1人になる時間があるのだが、正面から女性が歩いてくる。 「こんにちはーっ」  ヒカリはいつも大人と会った時は必ず挨拶をする。今回も普段と変わらない。だが、普段と違うことがあった。 「あ・・、こんにちは・・」  この近所で見たことがない人だった。たまにあることだったため、ヒカリはそこまで気には留めなかった。だが、ある瞬間からその意識は過去の記憶を探り始めた。 「あっ・・」  ある記憶に辿り着いたヒカリは後ろを振り返った。 「やっぱりね・・。やっと見つけた」  光生宮に停まっていた車がそこにはあった。
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