百合の花

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真理子が登校すると机の上にある花瓶の水が濁っていた。 透明な花瓶なので覗き込まなくても分かる。 それに気付いた隣の席の仲居君が近寄って来る。 隣の席といっても机がぴったりくっついている訳ではなく1メートル位感覚が 空けてありその距離からでも水の濁りが分かるのだ。 仲居「じゃあ水でも綺麗にするか」 真里子「あ、ありがと」 そして仲居が教室を出て行くと無数の黒くて長い手が真理子を後ろに発生した黒い穴の開いた空間へ連れ込もうとする。 真理子の席は一番後ろだ。 「ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ」 と不気味な音を立ててその手は真理子の口も塞ぐ 真里子「だ.誰か..たす.け」 口が塞がれている為端然(ちゃんと)声も出せず誰も見向きもしない、いくら苛めているからといってこんな不可解な現象を目撃したら気付く筈だ。 違うそうじゃない見てない振りではなく見えていないのだと真里子は感じた。 仲居君が綺麗な水を入れ花瓶を持ってきた机の上に置くとその無数の手達は後ろに開いた穴に吸い込まれ穴は閉じた。 真里子「今の何!!周りの人間には見えていなかった様だけど」 真理子は正真正銘恐怖した現実ではあり得ない事を実体験したからだ。 真理子に顔は真っ青だ。 そして放課後幽霊騒ぎの話を耳にする 女子「老人が猫と会話してるってよ」 男子「俺も聞いたぜなんか名前は知らねーがうちの女子も一緒にいたとか」 そして今日も猫と会話し体験した経緯を説明する。 黒猫「俺は猫だから分からん。しかしお前からは恐怖が満ち溢れている」 そういえば駄菓子屋さんのお爺さんが来ていない。 真理子は直接店を訪ねる事にした10年振りだが場所は鮮明に覚えている。 場所に着いたそして驚愕する驚愕と言う言葉以上の言葉が見つからなかったがそこは駐車場になっていた。 駄菓子屋は現在存在しなく真理子は隣のクリーニング屋の定員に聞いた8年前83歳で亡くなったらしい。 会った時のお爺さんは真理子が通っていた頃と容姿風貌全く変化がなかった。 真理子は恐怖する、死んだ人間と雑談をしていたのだ。 猫と会話できたのは自分に特殊な能力があるからだと信じている。 ショックで翌朝起きれなかった学校は遅刻して行こう。 すると家の中でお坊さんが来てお経を唱えている。 49日か?仏壇におばあちゃんとおじいしゃんの写真が飾ってあるが他には無い筈そして写真を見てみると... 更に驚愕する自分の写真が写っているのだ。 真里子「おかーさん!おとーさん!」 二人とも目の前に居るのに反応しない。 呼んでも反応しない。 真里子「私死んでるの?」 真里子は学校へ向かった今は給食の時間だろう。 教室に入ると仲居君が百合の花の花瓶の水を替えてくれようとしたが花瓶を落とし割ってしまった。 仲居「あちゃー」 すると真理子の後ろから 「ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ」 と言う不気味な音に無数の黒くて長い手が黒い穴に引きずりこもうとしている。 真里子「仲居君助けてよーーお願い、私死にたくないの」 仲居は当然聞こえないし見えもしない。 真里子は引きずりこまれた、最後の言葉はクラス全員に聞こえた。 クラス全員が真里子の方を見る。 真里子「た..すけて.わ.私..悪い事してない...のに」
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