最悪な出会い

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「あれ……僕の服…」 確か今日は武志に全裸にされていたはずだ。 事後に武志が着せてくれた?いや、そんなこと今まで一度だってなかった。 「素っ裸で寒そうだったから着せといた」 藤代先輩は素っ気なくそう言った。 ぶっきらぼうだし愛想はないけど、優しいんだな…。 「お前、髪柔らかいな。うちの猫みてえ」 僕の髪の手触りが気に入ったのか、藤代先輩は僕が目覚めても髪を撫でるのを止めない。 誰かにこんなに優しく触れられたことがあったかな。 実の親にも疎まれている僕なのに…。 藤代先輩の手が気持ちよくて、僕は再び目蓋を閉じた。
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