最悪な出会い

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「お前、名前何?」 「え……。夏樹…緒川夏樹…です」 藤代先輩はふぅんと言った後、また黙って僕の髪を撫ではじめた。 「あ!そうだ!」 思い出してポケットの中を探すと二枚のハンカチが入っていた。 「あの、この前はありがとうございました。これ、新しいの買ったんでお返しします」 膝枕されたままお礼を言うのも失礼なので、体を起こしてぺこりと頭を下げてお礼を言う。 先輩はキョトンとした顔をして 「わざわざ新しいのなんて買わなくてもいいのに。てか、お前にハンカチやったの忘れてた」 と言って苦笑した。 きつい印象の顔が、笑うと急に優しくなってドキッとする。 「あ、あの、先輩にお借りしたハンカチは綺麗に洗濯はしたんですけど…拭いたものがアレなので…お返ししなくてもいいですか?」
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