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軋む体をなんとか動かして教室に帰る。
頬も腫れてきた気がするし、今日はもう帰ろうかな…。
「緒川君、顔どうしたの?!」
木村君が心配して聞いてくれたけど、曖昧に笑って受け流した。
武志に殴られたなんて聞かされる方も困るもんな。
「今日はもう早退するね」
木村君にだけそう告げると僕は学校を後にした。
早退したところで直ぐに家には帰れない。
母さんは僕の顔を見たくないのだ。
あまり早く帰るとまた怒らせてしまう…。
行き場のない僕は、いつものように公園のベンチに向かう。
小学校はもう下校時刻のようで、公園には何人かの小学生がいた。
あのくらいの頃は僕もまだ幸せだったな…。
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