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小さい頃にはまだ父がいた。
僕を忌み嫌う母から僕を守ってくれていた優しい父は僕が小学校にあがるとすぐに病気で亡くなってしまった。
父が亡くなると母親はすぐに再婚し妹が産まれた。
妹が産まれてからは母の愛情は全て妹に向き、あからさまに僕を嫌うようになった。
子どもの頃はそれが悲しかったけど今は何とも思わない。
高校までは通わせてやる、高校を卒業したら家から出て行けと母には言われている。
あと二年ちょっとの辛抱だ。
暗くなるまで家には帰れないのも。
帰ってもご飯が用意されていないのも。
台所を使うのは許されているので、いつも夜中にこっそり料理をして食べていた。
事情を知らない妹はお兄ちゃんも一緒に食べようよと誘ってくれるけど、母があからさまに嫌な顔をするのでごめんねといつも断っていた。
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