約束

1/1
前へ
/61ページ
次へ

約束

罰ゲームは長く続いたような感じがした。 死を招くと言われているアパートに住む住人たちと、ゲームをしてすごく楽しかった。 「またこんなのやりたいよね?」 そう切り出したのは藤木さんだ。 翌日は、山下さんの誕生日だったらしい。 「じゃ、今度は山下さんの誕生日を祝うために集まろうよ!」 私はそう提案した。 「いいね!じゃ明日の何時くらいにする?」 「夕方?」 アバウト過ぎる話が進んでいく。 そのアバウトさも気にならないくらい、三人は意気投合していた。 結局、三人は翌日の夕方16時に、山下さん家に集合する事になった。必要なものはいろいろと、それぞれが買い揃えて集まる事になった。 私は缶ビールや飲み物の類いを、山下さんはつまみの類いを、藤木さんはケーキを買ってくる事になった。 翌日の誕生日パーティーが楽しみで、ワクワクしている。 ーーどんなパーティーになるんだろう? 期待が膨らみ、言葉もなくにやけてしまう。今日はとりあえず、それぞれの住む部屋に帰る事になった。 「ーーそれじゃまた明日ね!」 明日の約束に胸を踊らせ、声も弾んでいる。 それぞれが胸に思い描く誕生日パーティーは違うだろう。 それでも明日は、また楽しい一日が始まるようなそんな気がした。 ーー私、このアパートに住んで良かった。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加