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「! レイっ?」
「静かに。 誰も見てないから」
「そうっ、かも…だけどっ」
「これくらいのスキンシップが平気になるための、練習だよ」
強く掴まれている訳でもない玲の体は軽く、肩を押せば一発で離れて行きそうなほど脆く儚い力加減で寄り添われていることに、丈太郎の気持ちが挫ける。
他所から見れば完璧なカップルの構図だけど、寄り添っているのは男である自分と、男の玲だ。
(これってフツーに、恥ずかしくないか?)
男のカップルに思われるのも嫌だし、ここは正直に言おう、と思った矢先、
「ちょっとおれも、慣れない人混みで疲れたかも」
という玲の言葉に先手を打たれ、ぐうの音も出なくなってしまう。
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